看取りの話を続けてきました。これで最後と思うとさみしい気がしますがお別れではありません。また思い出して書かせていただくかもしれません。

最後は、どんな病気で看取られたいかです。ある講演会で、最近「がんの人気がジワリと来ている。」、「密かにブームになりつつある。」という話を耳にしました。私の子どもの頃はがんといえばみんなが恐れる死の病でしたが、今は少し違うようです。そういえば私の親の世代は結核といえば国民病として恐れられた死の病でしたね。時代によって病気の怖さやイメージは変わっていくようです。

有名人が立て続けにがんになったということでも注目を集めています。早期に検診を受ける人が増え、その分がんが見つかる人も増えています。一方、早期=軽度の発見が増えているので治る人も増えています。

「がんで死にたい」おっと間違いですね、「死ぬならがんで」という人たちは突然死ぬやわからなくなって死ぬのが嫌な方たちだそうです。がんという病気は大体いつ頃が死期であるということがわかります。そうすると自分で①延命治療をどうする?②看取りの場所はどうする?③元気なうちにやりたいこと、会いたい人。④財産を自分で使うか?だれにどのくらい残すか?などが最も計画的に行いやすいそうです。

人気があるといってもそもそもよほどの御仁でなければ病気になりたい人などなく、大変なショックと苦労であることは間違いないと思います。

インターネットで終活、死因と調べるとたくさん出てきますが死にたい病名など調べると全く出てきません。やはり誰しも病気になりたいとかは考えないのでしょう。こんなことばかり考える私は職業病かもしれませんね。かくして「痩せる暇なし」と言い訳を続けるぽっちゃり体型なのであります。


「ちょっと豆知識」

以前、日本の法律では原則「死亡診断」や「死亡診断書の作成」は医師にしかできません。と書きましたが、どうもこれが秋から変わるようです。必要な情報を看護師が医師に提供し、その情報を基に医師が死亡診断をする。そして看護師が代筆で死亡診断書をかける。というものです。様々な条件があり、看護師さんは1週間程度(未定)の研修を受けた方に限られるようです。医師が死亡診断に駆け付けるのに時間がかかり過ぎるケースを想定しての措置です。看取られ方も随分変わっていくかもしれません。