このテーマも今回が最後です。要介護状態になる原因の全体を見渡すと骨折・転倒と関節疾患が出てきました。

骨折で多いのは尻もちをついたときなどに背骨がつぶれるように折れてしまいます。ひび(医学的には骨折)が少し入るだけのこともあり、知らぬ間に骨折していたということがあります。骨が弱っていたり、尻もちを何回も付いたりで繰り返すとだんだんと腰が曲がっていくことにもつながります。

太ももの付け根、股のところも多いですね。この骨は結構に太い骨なのですが、骨盤と関節を作る前にキュッと曲がっているところが弱くここで折れてしまいます。手術やリハビリテーションで歩けない期間が比較的長く、体力だけでなく気力も奪われてしまうことがあります。

あとは先日書きましたが骨折しなくても転倒したショックや痛みで調子を崩すこともよくあります。

おそらく転ぶ危険や頻度は男女で差がないと思うのですが女性は男性に比べて圧倒的に骨粗しょう症になりやすくなります。この病気になると骨のカルシウムが減って折れやすくなってしまいます。

転んだり打ったりして折れるのですからこれは完全に突然やってきます。

関節疾患で多いのは体格の良い女性の膝の痛みです。男性と女性では骨格が少し異なっていて膝の軟骨がすり減って痛みを起こすのです。こちらや長い年月をかけて症状が少しずつ進んでいきますからゆっくりやってきます。

両方とも完全に防ぐことはできませんが、運動習慣や食事、治療などである程度対応できます。

介護が必要にならないように完全に防ぐ方法はありません。「俺は認知症にはならいないよ。」「絶対に骨折しないぞ」と強く決意し、宣誓書を書いてもこけるときにはコケますし、折れるときには折れてしまいます。完全には無理ですが様々な介護が必要となる原因に対して、全く予防できない。歯が立たないということでもないようです。介護予防教室も増えていますし、地域にはサロンなどもあります。まだまだ元気という方は公民館サークルですとか老人クラブですとか大いに青春を楽しんでいただきたいと思います。