地域包括ケア(地域で高齢者を支えるということ)

地域包括ケアという言葉を耳にしてずいぶん時間がたちます。国は「医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り、住み 慣れた地域でその有する能力に応じ自立した生活を続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される」と説明しています。何となく分かったような、分からないような・・・
「住み慣れた地域で暮らしていけるように」私たちは地域の高齢者をどう支えていけばよいのでしょうか?

私って誰?何をする人?

私は誰でしょうか?まずは地域の住民でしょう。そして介護施設に勤務しておりいくつかの資格ももっています。野芥校区自治協議会の一員でもあります。
私はまずは一生懸命仕事をすることで、からざステーションを良い施設とすることで地域包括ケアに参画し、地域の役に立っていると思っています。福岡市のお仕事をお手伝いしたり、地域の役員としても頑張ったり・・・。でももうひとつピンときません。

トラブル発生?

ある出来事をもとに、「こういうことがみんなで地域の高齢者を支える=地域包括ケアだなあ。」と思うことがありました。
先日地域の一住民である私の妻が出勤途中に当施設付近で倒れている男性(シルバー世代)を発見しました。自転車で転倒して、ひざを痛めたいらっしゃるようでした。助けになりたいけど仕事に間に合わないと思った妻は、すぐ目の前にあった居宅介護支援事業所(当法人内事業所)に助けを求めました。「独り暮らし」「近所に住んでる」「救急車は嫌だ」等と話されるその男性を事業所のケアマネジャーがお姫様抱っこして事務所にお連れして、お茶をふるまったそうです。

民生児童委員さんへバトンタッチ

そのケアマネジャーはゆっくりお話を聞いて男性の意向に沿った対応しようとしていました。ところが急な要件で事務所を離れなければいけません。そこで当施設の支援相談員や事務課長が地域の民生児童委員さんに連絡を取りました。
民生児童委員さんはその方のお名前・住所をすぐに探し当て男性のご友人にも連絡が取れました。お迎えに見えたご友人の車に自転車を乗せ、車いすを使って男性を誘導しました。ご友人が病院にお連れし奥様にも連絡を取っていただけるようです。
奥様???お独り暮らしではなかったのですね。引っ越してきて長くない様子でした。

むすびに

何か計画をしていたわけでも、打ち合わせもなく、司令塔もいないのに、地域住民や施設職員がそれぞれの気づきで行動し地域役員と連携して、さらにご友人の協力を得てこの男性の方は事なきを得たように思います。
国の制度も大事ですが昭和の昔であれば当たり前の人情が町に戻ってくれば「住み慣れた町で暮らし続けること」はそう難しいことではない気がしました。
児童民生委員さんとお互いにお礼を言いあい、すがすがしい気持ちでお別れしました。顔の見える関係でよかったと思います。
児童民生委員さん。何かあったらまた助けてくださいね。本当にありがとうございました。