11月26日、長崎市で九州集団療法研究会が開催され、当院より3名参加いたしました。残念ながら、今回は当院からの発表はありませんでしたが、当学会は各施設の患者さん・ご利用者という「集団」を対象にOTグループや看護の治療的な取り組みの発表の場で、参加する者にとっては常に注目される学習の場です。
今回の分科会では以下のような研究発表がありました。
- 27年間の当院でのアルコール依存症者へのサイコドラマの実践報告と考察
- 難治の摂食障害患者に対するコスモスの会の役割と効果
- 求めていた答えの神髄は夜間集会にあった~「木を見て森を見ず」からの脱却、道半ば~
- 壮絶な虐待を受けたA氏の集団精神療法を通して得られた変化
- デイケアにおけるプロジェクト活動を通して見えてきたもの
- 慢性閉鎖病棟でのクラスター~考えること
現在、各施設においても精神科デイケアについてはご利用者の減少という現状はあるようです。いずれも、その活性化を図るべく、スタッフのアイデアを出しながら様々なプログラムを実施したというものでした。
コメンテーターからの発表の焦点は「それでもデイケアに来続けている方がいるのはどうしてなのか」ということでしたが、その回答としては人とのつながりを求めているということが大きいのではないか、メンバー(仲間)同士の繋がりが重視されているのではないかというものでした。デイケア活性化のためにはプログラムの質のみならず、それ以外での繋がりをデイケアの中でどのように持たせていくのか、安心できる場所に変えていけるにはどうしたらよいのか、を熟考する必要があります。そのようなことを再認識されられた研究会でした。