ダブル改訂、それともトリプル改定?

平成30年度は診療報酬改定と介護報酬改定が行われました。診療報酬改定が2年毎、介護報酬改定が3年毎ですから、6年に一度同時に改定されます。俗にダブル改定といわれますが実は障害福祉制度も3年に一度変わりますからトリプル改定なのです。どこの医療機関、介護保険事業者、障碍者福祉にかかわる事業者もてんやわんやです。

基準がいっぱい。施設基準と人員基準と運営基準

美容や理容はどうでしょうか?カットなどには国家資格が必要ですが、基本的に店の広さや設備に職員数、提供するサービスや価格は自由なのではないでしょうか?確か組合があり加入すると価格は最低限が決められていたと思います。過当競争で価格破壊が起こらないようにするためだそうです。ですから低価格の床屋さんは組合には入っていないようです。

例えばからざステーションでは「居室の最低限の広さ(1人当たり)廊下幅、専門棟であれば家族介護教室や回廊を整備しなさい。」などの施設基準、「職員はどういった職種を何人以上配置しなさい。」といった人員基準、「重要事項説明書や契約書を整備してきちんと説明して、同意を得てから契約を結びなさい。」などの運営基準などが厳しく細かく定められています。

これをきちんと守ることができて施設を開設運営し定められた報酬をいただけることになります。さらに設けられた基準をクリアすると主に加算と呼ばれる報酬を上乗せして請求させていただくこととなります。これもなかなか大変で文章1行、単語1つ変わると意味が大きく変わります。そのたびに右往左往して新しい基準に合わせて変化していくことになります。

医療保険と介護保険、そして福祉制度

改定内容を書こうとすると本一冊分くらいになりますから止めておきます。ただこういうお仕事をさせていただいていると、傾向として3つの制度が一体として動いているということがつくづく実感できます。

医療と介護だけ見てみましょう。もともと医療保険だけのところに介護保険ができたときは医療と介護を切り分けたといった印象でした。実際厚生労働省も担当部署を別にして縦割り行政をやっている印象でした。今はまさに医療・介護・福祉の一体化に向けて猛進しているイメージですね。そうなればサービスを受ける一般市民としては「制度の挟間」に陥ることがありません。いわゆるシームレスな対応を行政も事業者も求められています。

医療と床屋さん

最後に床屋さんに戻ります。昔は赤青白がトレードマークでした。実は赤は動脈、青は静脈、白は包帯を表しています。ヒポクラテスの時代、床屋と医者は一つの職業だったようです。今の床屋さんも必ず衛生管理を学ぶようになっています。もちろん医療も大きく進歩していますから、床屋さんを医業とは呼べなくなりました。餅は餅屋ですね。餅を思い出しておなかがすきました。