KBC九州朝日放送「アサデス」に出演

実は、私、平成31年2月12日KBC九州朝日放送「アサデス」に出演いたしました。出演中にある熟女に突然ほっぺにチュウされてしまうアクシデントがあり、困惑しながらも笑ってしまいました。ところが、私も熟女の方もその時の笑顔が良かったとお褒めいただき、そう言われると私もまんざらではありません。自分ではいつも仏頂面で暮らしていると思っていましたから、褒められて大変うれしく思いました。私自身も録画を見て「私もあんな笑顔で暮らしているのだ。」と、ほっとしました。さて、この「ほっぺにチュウの笑顔」のいきさつをお話しします。

認知症の方がスタッフの「注文を間違えるレストラン」

そもそも、今回のテレビ出演は、確か2011年に始まったという夢結びというスープ専門店にあります。私の大先輩である作業療法士がリハビリテーションを行なう就労支援事業所を立ち上げたことが、NHKの人気番組「プロフェッショナル-仕事の流儀」で以前取り上げられました。事業所のスタッフと認知症の高齢者の方がスープを作り、地域の一般住民の方に提供する店舗を開かれていたという内容でした。

その後すっかり忘れていたのですが、一昨年のNHKの全国ニュースで「注文を間違えるレストラン」が東京で始まったと聞きました。こちらは期間限定でしたが、その後全国に広がったようです。プロのシェフが作った料理を提供するホールスタッフが、認知症の高齢者の方たちです。

認知症の方たちなので、たびたび注文を間違えることがありますが、そのことを受け入れてくださいよ、というメッセージが「注文を間違えるレストラン」という店舗のネーミングに込められているのです。

福岡では「注文を間違えるめんたい屋さん」

さて、お話を福岡に住む私のエピソードに戻させていただきます。今月九州初ということで1日限定の「注文を間違えるめんたい屋さん」がレソラ天神に登場しました。もちろん、ホールスタッフは全員が認知症の高齢者の方々です。今回は介護福祉士養成校の生徒さんたちがサポートを担当しました。最初は緊張されていた高齢者の方たちも期待通り(!)に注文を間違え、次第にリラックスして、冒頭に紹介した番組内でのお客さんとして参加した私への「ほっぺにチュウ」となった次第です。

ここで、私たちが改めて考えなければならないことは、認知症の方たちをそのまま受け入れることの大切さです。認知症の高齢者のたちは決して何もできない方たちではありません。できる役割を奪われていることが大変多いものです。出来ることはしなくてよいといわれて、できるつもりのことは失敗して・・・つらい思いも多いことだと思います。そんななかで「自分らしく」と言われても落ち込んだりイライラしたりしてしまうのではないでしょうか。するとまたそれを「認知症の症状だ。」と言われることも多いようです。

認知症の高齢者の方々も、この日ばかりは自分が多くの役割を果たして、多くの方に感謝され、うまくいかなくても周囲の方が笑顔で受け入れてくださり、皆さんは晴れ晴れとした表情でした。このような皆さんの様子を拝見して、さらに「ほっぺにチュウ」をいただき、私はいつもよりずっといい笑顔になれたのだと思います。