こんにちは!今回はからざステーションの名前にちなみ、卵のお話です。
卵と言えば高たんぱくで、ビタミン、ミネラルも豊富、まさに完全栄養食だ、と言われることもあります。
実際に、非常に栄養バランスが整った食材の一つです。しかし、健康診断などで血中のコレステロール値が高いことを指摘され、卵を控えている方もいらっしゃるかもしれませんね。卵にコレステロールが多く含まれているのは事実ですが、検査値を改善するために卵の摂取を控えるべきなのでしょうか。
その疑問を解決するためには、まずコレステロールを正しく理解することが必要です。コレステロールは体内に存在する脂質の一つです。コレステロールそのものは細胞膜やホルモンの材料となるなど、体にとって重要な役割を担っています。免疫調整に必要なビタミンDの原料でもありますので、この感染症がまん延している時代に重要な栄養素の一つと言えるでしょう。一方で、一般のイメージとしてはコレステロールといえば生活習慣病の要因、と言う悪い印象も強いように感じます。
ここでぜひ押さえたいポイントが、生活習慣病と関与しているのは「LDLコレステロール」や「HDLコレステロール」であり、食事から摂取したコレステロールとは別物だということです。体内では複雑な代謝が行われており、食事から摂取したコレステロールが直接そのまま血液中のコレステロール値に関わっているわけではありません。その為、はっきりとしたコレステロールの食事摂取基準は決められていません(日本人の食事摂取基準 2020年版より)。それを踏まえると、1日当たりの卵の摂取量に明確な基準はないと言えます。
健康のためにも卵の適切な摂取量を知りたいところではありますが、卵の摂取量とコレステロールに関する調査・研究の結果もさまざまで、摂取すべき卵の量を明確にするまでには至っていません。はっきりとした基準はないものの、健康のためには「食べ過ぎず控え過ぎず」というのがポイントのようです。ただしすでに脂質異常症と診断されている場合は、悪化を予防する目的でのコレステロール摂取量を1日当たり200mg未満にすることが望ましいとされているので注意が必要です。
まとめ
卵はたんぱく質やさまざまなビタミン・ミネラルが含まれている食品です。
その半面、生活習慣病との関連が知られているコレステロールも多く含んでいます。しかしコレステロールは体に必要な成分でもあり、食事から摂取するコレステロールが直接生活習慣病に関わっているわけではありません。
卵はむしろ適切に摂取することでビタミンやミネラル、良質なたんぱく質を効率良く摂取できる食品であるといえるでしょう。ただし、すでに脂質異常症と診断されている方は摂取量に注意が必要です。