入院の案内
長引く うつ病・双極性障害・統合失調症の 治療とサポート
長期化するうつ病・双極性障害(躁うつ病)・統合失調症の精神科治療プログラム。検査、入院治療、リハビリ、在宅支援など、当院は総合的な精神科治療とサポートが可能です。
長期化するうつ病などの現状
治療が長引くうつ病や6割程度の回復で停滞してしまったようなうつ病の方は、うつ病患者さん全体の20〜30%存在しているといわれています。そのような場合は、単なるうつ病ではなく双極性障害のうつ病や不安障害の合併の可能性も考えられますし、薬だけではなかなか治りにくかったり、薬の副作用が強く出るために治療が難しかったりするケースが見受けられます。
また双極性障害(躁うつ病)については、単極性のうつ病より再発しやすいため長期化する傾向があります。 その理由は、双極性障害の確定診断自体が難しく、躁状態になると服薬をやめる傾向が高く、そのため治療が中断してしまうことが多くあるからです。
統合失調症においても再発が繰り返されると、休息・回復に要する期間が長くなる傾向があります。現在では治療効果の高いさまざまな薬剤が開発されたこともあり健常な日常生活を送る人が増えましたが、その反面重症群の方も一定数が存在します。
精神科の治療の基本はあくまでも休養・薬物療法・精神療法ですが、長期化するケースではより多角的な治療やアプローチ、サポートが求められています。
当院の治療とサポート
このような長期化するうつ病・双極性障害(躁うつ病)・統合失調症などの精神疾患をお持ちの方に対応するために、当院は確定診断を補助する光トポグラフィー検査や、難治性や治療抵抗性の高い疾患への治療である修正型電気けいれん療法(mECT)(現在は一時的に休止しております)・クロザピン治療、さまざまなプログラムを有する精神科リハビリテーション、24時間体制の精神科訪問看護などの治療とサポート体制を整えています。
その人にとって適切でよりよい治療とは何かを念頭に、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士、薬剤師、栄養士などのさまざまな医療スタッフが協力し、それぞれの専門性を活かした精神科の総合医療を提供します。
治療とサポートについては
- 検査
- 入院治療
- リハビリテーション
- 在宅支援
の項目ごとに簡単にご説明します。
さらに、詳しくは項目別のページをご覧ください。
確定診断の補助となる検査
以下の検査は、いずれも主治医の先生の診断の補助として活用いただきますので、ご希望の方については必ず主治医にご相談ください。
光トポグラフィー検査
うつ病と双極性障害(躁うつ病)のうつ症状は区別がつきにくく、しかも治療薬は全く異なります。この検査は、うつ病、双極性障害、統合失調症などにおける医師の確定診断の補助に役立ちます。毎週火・木曜日午後。要予約。
いろいろな心理検査
知能検査・パーソナリティー検査・認知機能検査などの検査依頼にお応えしています。検査結果は医師の診断の補助として活用されたり、障害者手帳・障害年金・要介護認定などの書類作成に有用な参考情報となったりします。
薬で治りにくい うつ病の最新治療
薬物療法や精神療法と併せてご利用いただく治療です。それらに加えて使用される精神科の先進医療のひとつです。
経頭蓋磁気刺激療法(r-TMS治療)
ただいま準備中です。
現在お問い合わせ・予約の対応は行っておりませんので、あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。
早期退院を目指す入院治療
うつ病・双極性障害(躁うつ病)・神経症・統合失調症・認知症・パーソナリティ障害などの精神疾患の方々の入院に対応。24時間365日 緊急性の高い入院にも対応。充実したチーム医療体制で症状の安定や早期退院を目指します。
精神科の入院
精神科救急病棟および精神科急性期治療病棟は看護師などの医療スタッフが多く配置され、精神科医のみならず臨床心理士、精神保健福祉士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士などの精神科医療の専門職が治療にかかわります。
パーソナリティ障害の方の入院治療プログラム
精神分析理論を背景に、医療専門職がかかわるチーム治療としてパーソナリティ障害の方の入院治療が可能になりました。
専門性の高い治療
難治性のうつ病・躁うつ病・統合失調症の方を対象とする修正型電気けいれん療法(mECT)(現在は一時的に休止しております)や、治療抵抗性の高い統合失調症の方が対象のクロザピン治療が可能です。治療の適応は、担当医が総合的に判断して施行の有無を決定します。
修正型電気けいれん療法(mECT)(現在は一時的に休止しております)
頭部に通電することで精神症状の改善をはかる治療法です。修正型電気けいれん療法は治療における不安や身体的けいれんを防止するために全身麻酔薬下(全身麻酔と筋弛緩剤を使用)で行います。安全性と有効性が高い治療です。
クロザピン治療
クロザピン治療は既存の薬物治療に抵抗性を示す統合失調症の方などに有効性の高い治療です。当院は医師・薬剤師・看護師が所定の研修を修了した登録医療機関として、福岡大学病院腫瘍・血液内科との院外連携の態勢も整えています。
精神科リハビリテーション
患者さんの心身の機能維持・回復そして生活全般の質を高める精神科リハビリテーションを提供します。通所リハビリテーションを利用されることで症状が安定し再発や再入院のリスクが軽減されます。当院以外の病院・クリニ ックに通院の方も主治医にご相談のうえ、ご利用いただけます。
リワークプログラム
うつ病などで休職中の方に、職場復帰を目的とした専門的な治療プログラム(心理教育、認知行動療法、オフィスワークなど)を提供し、高い復職達成率を誇ります。当院は一般社団法人日本うつ病リワーク協会正会員医療機関です。
いろいろなデイケア
リワークプログラム以外にも、多様な疾患や多様な価値観・ライフスタイルに合わせた通所サービスとして、統合失調症の方のためのデイケア、気分障害の方のためのデイケア、高齢者のためのデイケアもあります。
在宅支援
油山病院併設、別事業所として訪問看護事業所を運営しています。当院以外の病院・クリニックに通院の方も主治医にご相談のうえ、ご利用いただけます。
訪問看護ステーションあいりす
保健師・看護師・作業療法士が利用者のご自宅へお伺いし、その方にとって必要な心身のケアや療養生活を支援。福岡市内全域、糸島市、春日市、大野城市、那珂川市、糟屋郡粕屋町・志免町も訪問可。24時間365日サポート体制あり。