11月1日当院北館多目的ホールにて、福岡大学医学部精神医学教室の川嵜弘詔教授にご支援ご協力いただき「FUKUOKA 精神疾患研究会」を開催しました。
当日は川嵜教授をはじめ精神科医局の先生方に多数ご参加いただき、お二人の先生から貴重なご講演をいただく機会となりました。
最初の講演は、助教の飯田仁志先生から「実臨床から得られたアセナピンの使用体験」をテーマに、
1.統合失調症の薬物治療ガイドライン、
2.抗コリン アセナピンの特徴、
3.具体的な症例紹介、
4.看護師の意見、
5.アセナピン使用のコツ
などを丁寧にお話しいただきました。
アセナピンはクロザピンと比較すると現段階ではエビデンスが少ないけれども、ケースによっては有効で副作用も少ないことを知ることができました。
次にお話しいただいたのは、同教室講師の衞籐暢明先生です。
先生は同大学の救急医療の現場で多くの自殺希図の方々に直接携わってこられた臨床経験をもとに、「自殺予防からみた若年者のうつについて」をテーマとされました。
まず冒頭に若者の自殺の特徴やメンタルヘルスを考える意義をご説明があり、目の前の人から「死にたい」と言われたらどうするかという問いを会場に投げかけられ、治療者としての対応の在り方を指導いただきました。
また精神症状は聞かないとわからない、聞くことをリスト化して評価しなければならないという考えのもと、先生が開発された評価シートは現在全国的にスタンダードな自殺予防に関する評価表になっているそうです。
今回は私ども職員一同貴重な学習の場をいただき、精神科医療に携わる者として一層研鑽を積み患者さんの役に立てるように努めたいという気持ちを新たにいたしました。