7月6日(土)、油山病院多目的ホールにて、公益財団法人東京都医学総合研究所 副所長の糸川昌成先生の特別講演「統合失調症とはどういうことか~心はどこまで脳なのだろうか~」が、座長を当法人 三野原義光理事長、meiji seikaファルマ株式会社様主催で行われました。糸川先生は精神科医、分子生物学者であり、現在、東京都医学総合研究所副所長を務めてらっしゃいます。ドーパミンD2受容体の遺伝子多型を世界で初めて同定し、統合失調症との関連を確認した統合失調症研究の第一人者です。三野原理事長とは大学の同級生でもあります。
前半は30年前から現在にかけての最先端の遺伝子研究への取り組みや、統合失調症の原因を解明しようとする糸川チームが発見した治療薬の開発など、専門的な内容をユーモアを交えながらお話いただきました。後半は、ご自身の精神科臨床と研究を通して、脳は心の一部であり、人としての尊厳や自尊心など、脳の科学的現象に還元できないことが患者の助けになるというお話をしていただきました。人と人との関係性や、心を寄せることでしか生まれない事。脳という「モノ」も研究されていた先生が語られる精神科医療での「コト」の重要性に、法人職員も大きく心を動かされ、これからの個々の行動に大きな刺激をいただいたように感じました。糸川先生、主催関係者のみなさま本当にありがとうございました。

特別講演「統合失調症とはどういうことか~心はどこまで脳なのだろうか~」の様子2 特別講演「統合失調症とはどういうことか~心はどこまで脳なのだろうか~」の様子3