2021年9月の法人学習会では、精神科における行動制限最小化について学びました。精神科医療は、他の医療分野と違い、精神保健福祉法という特別な法律の規制を受けています。法第36条では、「医療または保護に欠くことのできない限度において必要な行動制限を行うことができる」とされています。私たち精神医療の従事者は患者様の処遇にあたり、行動の制限が必要とされる場合においては、患者様の症状に応じてもっとも制限の少ない方法で行うべきと考え、全ての患者様の人権を尊重し、より良い医療を提供するため、行動制限最小化に取り組んでいます。
まず当院の行動制限最小化委員会の岡本主任から行動制限の種類や定義を説明していただき、そのあとには行動制限についての知識や具体的対応をクイズ形式で会場に問いかけ、回答と解説をしていただきました。
私たち医療者は法律に関して、関心が低かったり得意でなかったりする人が多いのではないかと感じています。法律というものはグレーゾーンが多いですし、どのように解釈すればよいのか、とても考えさせられます。この研修会では具体例が多かったため、きちんと解説され、注意すべき補足情報もとても細かく伝達してもらえたため、知識の再確認にもなりました。行動制限とは患者さんの安全を守り、適切な治療環境を提供する一つの手段ですが、同時に患者さんの人権を常に考え行動制限を最小化できるよう意識し続ければならないことを強く感じさせられました。私たち精神科医療の従事者はこのような学習会を続けていき、正しく知識を理解することが大切だと思いました。
法人学習委員会 今村全宏