公益社団法人日本精神科病院協会が全国誌として発行している月刊誌(2020年10月5日発行)に、当院地域医療連携部課長の内野秀雄(精神保健福祉士)の「油山病院における地域移行支援体制の変遷と、診療報酬に関する影響」が掲載されました。
この内容は、当院の地域移行支援の変遷を振り返り、その時々に直面した課題に触れながら、これからも「精神障害にも対応する地域包括ケアシステム」の構築に参画していこうという精神科病院の展望を語ったものです。長期入院患者の退院を困難にしている要因はさまざまですが、まずは病院スタッフが退院候補者を意識できるような取り組みを開始し、次に患者さん自身の退院意欲を喚起するプログラムを開発していきました。このプログラムのなかで地域援助者に継続的に参加いただくという新たな展開が開けていきます。そのことが市内の行政担当者や周辺の地域援助事業者、他の精神科病院を巻き込む大きな流れになっていったということを紹介しています。
今回掲載された発表内容は、これらの取り組みの変遷にとどまらず、令和2年度の診療報酬改定のなかで「精神科退院時共同指導料(新設)」「療養生活環境整備指導加算(新設)」「精神科在宅患者支援管理料(見直し)」などの新たな評価について、当院における活用の可能性についても考察を加えています。
なお、これらの詳しい取り組みは当ホームページ内にも掲載しています。さらに以下のページもご覧いただきますようご案内いたします。
・精神科長期入院患者への独自の退院支援
・地域支援者と連携した退院仕組みづくり、読売新聞が取材
・「地域協働による退院支援仕組みづくり」研修会開催